Enterprise Architect ブラボー

ここ1ヶ月強の間、お客様のオフィスに常駐してました。既存システムのリプレースに関するプロジェクトで、現状分析のため、かなりの時間モデリング作業してました。MH HOME Linksでも紹介しているSparxSystemsのEnterprise Architect(EA)を使いました。今回一緒に仕事をした先輩は、UMLモデリングやMDAのエキスパートで、EAをヘビーに使用しておられます。その先輩の技をいろいろと教えてもらって、今まで全然使いこなしてなかったことを思い知りました。

ユースケースのモデリングや概念モデリングを行ったのですが、作成したユースケースモデルからユースケースポイント法による見積を作成したり、クラスダイアグラムからERダイアグラムへのモデル変換をしたりと後工程につながる成果物がEAのモデルから生成できます。MDAもかなりできるようです。

外部とのデータ連携も充実しているので、Excelに入力したデータも無駄なく取り込めるし、HTMLやRTF形式のすばらしいドキュメントも生成できます。HTMLのドキュメントは閲覧がしやすく、EAがインストールされていない環境でお客様へのモデルのレビューが非常にスムースに行えました。

複数のメンバーで作業する際、プロフェッショナル版では、モデルのマスターファイルから複製を作り、各人が複製ファイルで作業をしてマスターとシンクロをかけて成果を共有できます。各作業結果でのコンフリクトの検出やマージも可能です。

アドインも開発可能で、いろいろなものが使えます。今回はCSVの読み書きアドインが活躍しました。マインドマップツールとの連携アドインや、用語集アドインもあります。

クラスのステレオタイプ毎に表示をカスタマイズしたり独自のイメージを表示できたりするので、ビジュアル的にも分かりやすいモデルが可能です。頑張れば、画面の設計にも使えます。

BPMNのモデリング用アドインとXMLスキーマやWSDLの設計機能を組み合わせるとSOA用設計・開発ツールとしても使えます。

モデル要素間の関連をマトリクス表示して、モレ・ヌケをチェックすることもできます。

モデル変換は、独自テンプレートエンジンで実現されているのですが、ERモデルへのマッピング方法もテンプレートをカスタマイズすることでコントロールできました。メタモデルによる変換ではないので泥臭いですが。。。。 この部分はモデル要素のマッピングをグラフィカルに行えるような機能が欲しいと思いました。

細かいところで操作性の悪い部分や不具合もありますが、頻繁にバージョンアップしてユーザの要望に対応していること、価格が安いこと、そして現場で使える機能を満載しているということで、非常にお勧めのモデリングツールです。