iPad Air 2 での iOS 11 マルチタスキング

iPad Pro + iOS 11 の記事はたくさんあると思いますが・・

インストール

9月22日 iPad Air 2 にも iOS 11 が降ってきたので早速インストールしました。

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インストール当初電池の減りが激しくなったなと思ったらこんな記事が。

gigazine.net

Spotlight のインデックス作成などがバックグラウンドで動いていたのかなと思いました。今は落ち着いているようです。

iPhone SE より非力な A8 chip 搭載の Air 2 は二級市民ということ? とちょっと悲しくなったのですが iOS 11.0.1 がリリースされたタイミングで A7 chip の iPhone 5s にインストールしてみたら普通にサクサク動いてます。あれ? と思って Air2 も 11.0.1 にアップデートして視覚効果を戻したら iOS 10 並みにの動きに戻ってました。パフォーマンスチューニングされたっぽいです。よかった。

Dock の進化

iOS 10 までの Dock は配置できるアプリの数が固定でしたが、iOS 11 からは macOS の Dock 同様多くのアイコンが置けて、置いた数に合わせて伸縮するようになりました。iPhone は 5s でしか確認できてないのですが、これは恐らくiPad 限定の機能だと思われます。

Dock とリニューアルされたコントロールセンターは iPad のマルチタスキングにおいて欠かせない役割を担っています。

11 リリース直後は、Dock がスムーズに出るアプリとそうでないアプリがある気がしました。例えば、Chrome だと中々出なかったような。11.0.1 では解消されているようです。

スライドオーバーとスプリット

iOS 10 までは画面右からスワイプすると スライドオーバー(Slide Over) 中のアプリ (またはスライドオーバー可能なアプリ候補) が出てきてそのままスプリット状態にもできました。

iOS 11 では macOS 的な Dock の登場によりかなり操作性が変わりました。右からのスワイプもできますが、Dock からマルチタスク可能なアプリをドラッグして スライドオーバーまたはスプリットさせることができます。iOS 10 までのスライドオーバーはメインのアプリの右にサブのアプリが部分的にかぶさる感じで、サブのアプリの操作しかできませんでしたが iOS 11 ではオーバーレイというかフローティングして左右に移動させることができますし、メインのアプリも操作出来ます。スライドオーバーとスプリットの切り替えも簡単です。

Dock には常時配置してるアプリと最近使ったアプリのアイコンがありますが Dock にないアプリは スライドオーバー / スプリットできないので、一度起動して最近のアプリに入れるなどの操作が必要です。

スプリット非対応アプリ

Ingress のような全画面のゲームアプリなどは、スライドオーバーにもスプリットにも対応していません。ポータルハックしながら、Twitter のタイムライン眺めたりしたいのですが・・

(10/19 追記: Ingress アプリに Twitter アプリのスライドオーバーは可能でした。)

スプリット不可のアプリもありますが、ちょっとわかりにくくなっています。

Google 製の iOS アプリは当然のことながらスプリット対応が遅れています。マルチタスクを活かすには 普段使いのアプリを対応アプリで固める必要がありますが、Google のサービスに依存しまくっている身としてはちょっと辛いものがあります。

スプリット状態の維持

スプリット状態は、2つアプリのどちらかを単独で起動しても維持されていますし、コントロールセンターのサムネイルでもわかるので、作業の復帰が楽です。

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一度スプリットしたアプリのペアは明示的に解除しない限り維持されます。

スプリットが有効なアプリのペア

わかりやすいのは、Safari と Twitter アプリの組合せでしょう。Twitter のタイムラインを追いながら、ツイート内のリンクを Safari で読めます。PC なら当たり前の操作ですが、iPad で画面切替がなくなりなぜそのページを閲覧したのかというコンテキストが維持されるのは新鮮です。今後は iOS の Safari をデスクトップ版 Safari のように使うことも可能になっていくのかも。

Twitter のように、Safari をダイレクトに呼んでくれるアプリとの相性が良いです。Feedly や Pocket はタスクバーから 「Safari で開く」しないといけないのでそれほど快適ではありません。

iOS 11 の記事でよく紹介されているメモアプリと写真アプリをスプリットして、ドラッグ&ドロップで写真をメモに貼るというシナリオは確かに実行可能ですが、常にスプリットを維持するほど多用することはなさそうです。

Facebook アプリと Messenger アプリをスプリットできればいいのですが今のところ未対応でした。

以前の記事で書いたように技術書の電子書籍を参照しながらターミナルアプリやエディタアプリを使うというのも有効でしょう。

blog.kondoumh.com

ファイルアプリ

「iOS でもファイル操作が可能になった」という触れ込みのファイルアプリですが、iCloudDrive と対応アプリを使っていないとあまり活躍の場がなさそうです。ローカルのフォルダ構造を晒すアプリも自分が使っているものには、Zip 解凍のユーティリティぐらいしかありませんでした。

現在のところ OneDrive や Dropbox などストレージサービスのアグリゲーションアプリとしての利用に止まっています。これは対応アプリの増加に期待するしかないのでしょう。

アプリ切替からワークスペース切替へ

iPad アプリがスプリット対応していけば、アプリの組合せでワークスペースを作り、コントロールセンターでワークスペースを切り替えるという使い方が一般化していくのではないかと思います。

コンテキストスイッチは人間にとって負荷が高いので、iPad のような大画面デバイスではスマートフォンと同じような画面切替は極力なくすべきなのでしょう。

iPad では、大画面を活かして左側にファイル選択のような補助的なペイン(領域)・右側にメインで操作するペインを配置したレイアウトのアプリが多いですが、今後はスプリットした時にも情報量を減らさず、ワークスペースを構成しやすいような UI が推奨されていくのではないでしょうか。

iOS 11 の登場により iPad は PC 代わりになる・・ところまでは全然行っていませんが、2つのアプリを連携させるという基盤ができたということは言えると思います。